バグダッド・カフェ

バグダッド・カフェ

ちょっとマイナーだけどお薦めな作品を‘気が向いたときに’紹介するその名も「気まぐれシネマレビュー」。
第1回は「バグダッド・カフェ」!
1987年西ドイツ/製作・監督・脚本:パーシー・アドロン/製作・脚本:エレオノール・アドロン/出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒトジャック・パランスCCH・パウンダー他/カラー・91分(完全版108分)
あらすじ:ラス・ベガスとロサンゼルスを結ぶハイウェイの途中、モハヴェ砂漠のど真ん中に佇む寂れたモーテル“バグダッド・カフェ”。そこを切り盛りする女主人のブレンダは、役立たずの夫や自分勝手な子供たち、いつのまにかモーテルに“家族”として居座っている住人たちにいつも腹を立てていた。
そこにある日、太ったドイツ人女性、ジャスミンがやってくる。最初はジャスミンを邪険にしていたブレンダだが、次第に彼女の魅力に惹かれていき、また彼女の魅力に惹きつけられた人々が次々に店を訪れるようになる。
そしていつしかバグダッド・カフェは、人々の心のオアシスになっていくのであった…。
と、言うのが大まかなストーリー。決してイラクが舞台の映画でも戦争映画でもない。
本作最大の魅力はなんと言っても、はじめはただの太ったおばちゃんにしか見えないジャスミンが徐々に魅力的に見えてくること。
毎日に嫌気がさした女店主とある日ふらっとやってきた女性客との心の交流、そして友情の芽生えを砂漠の乾燥しながらも包み込むような暖かみのある映像、和やかな旋律にのせて描いているところもまた秀逸。
またジュベッタ・スティールの歌う主題歌「コーリング・ユー」がこの映画の魅力を何倍も引き出しているところも見逃せない。
たまには、こうしたほのぼのとしたヒューマンドラマも如何でしょう?