時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ

多発する少年犯罪に歯止めの一撃を!!
と、言う事でいきなりだが今回は
爆弾じかけのオレンジ時計じかけのオレンジ」の巻ッ!!
1971年イギリス/製作・監督・脚本:スタンリー・キューブリック/原作:アンソニー・バージェス/出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイン他/カラー、137分
あらすじ:不良グループの首領アレックスには孤独な楽しみがある。それは“他人の悲劇を楽しむ”というものである。
そんな彼がある日、何時もの如く盗みに入った良家で殺人の犯してしまう。そのうえ仲間にも裏切られ、逮捕された彼は刑務所に送られる。
それから数年後、“模範囚”の仮面を被ったアレックスは、“それを受ければ2週間で出られる”というある治療法があると知り、自ら実験台になる事を志願するが…
と、言うのが大まかなストーリー。
マイナーどころか、バリバリの名作。そのためこの作品についてはコメント不要!!
…と言ってしまっては推薦文にならないので、くどいかもしれないが紹介する。
公開当時は、「この作品を模倣した犯罪が起こる」として相当な批判を浴びたそうだが、そんな考えはナンセンスである。
なぜかといえば、この作品は思考能力を失い廃人同然となったアレックスを通して管理された社会や無意味な刑罰等を風刺しているのである。
また、原作ではこの映画のあとのエピソードとして第21章というものが存在し(自分は21章だけを読んだ事があり、原作の本編は未読だけれど、どうやら日本版には収録されていないらしい)読者により深いものを考えさせる内容になっているが、映画版ではその21章を排除し、徹頭徹尾皮肉を利かせているところがニクい。
そのためより一層社会風刺の意味が強くなったとみて取れる(しかしながらこの21章というのは、原作ではきわめて重要な意味合いがあるので決して不要なものではないという事をここに銘記しておく)。

そして、マルコム・マクダウェルの鬼気迫る演技はもちろんの事、独特のセットや台詞回し、映像を飾る音楽も今見ても充分すぎるほど斬新で、30年以上経った今でもその衝撃は全く色あせる事を知らない。
人によって好みがはっきり分かれてしまう作品だが、それでも見る価値は十二分にある作品である。