悪魔のような女

さて、例によってそろそろ借りてきたビデオの返却期限が来るので、さっそく処理にかかった。
で、本来だったら「ナイト・オン・ザ・プラネット」を見る予定だったのだが、ビデオデッキがビデオを飲み込んでくれないので、仕方なく最後の1本である「悪魔のような女」を見た。
ちなみに、96年にシャロン・ストーンらを主演に迎えて撮られた方ではなく、それの元となった1955年版(オリジナル版)である。
さて、とりわけ最近のホラー/スリラーはイマイチ出来が悪い。しかも今までそういった類の映画を数多く見てきたせいもあって今ではすっかり恐怖を感じる事は少なくなってしまっていたのだが、今回は久しぶりに心のそこから「マジで怖い」と思わせてくれる出来だった(まあ、名画として知られているので当たり前といえば当たり前なのだが)。

前半では完全犯罪を仕組むべく2人の女性の行動をじっくりと描き出し、後半部分から次第にそれらが拗れ、謎が深まっていくにつれて「次はどうなるんだ?」と物語にグイグイと引き込まれていく。
そして特記すべきはやはりラスト。
音響や効果音等を使わずにあれだけの緊張感、恐怖感を観客に植え付けられるというのはまさに神業のようである。
また、個人的には「スティング」にも匹敵すると思うあのどんでん返しも素晴らしい限りである。
また、少しの余韻を残すあの終わり方や、冒頭、そしてエンディングで流れる音楽もより一層恐怖心を倍増させてくれる。
今のスリラーはちょっと物足りないと思ってるそこのアナタ、迷わずこれを借りましょう。そして思う存分ハラハラドキドキしましょう。