ネクロノミカン

言わずと知れた“死霊秘法”の映画。
日米のスタッフが集い作り上げた3話(4話?)のオムニバスで、ラヴクラフトご本人(演じるのはウェスト博士ことジェフリー・コムズ)がストーリー・テラーのような形で登場する。
1話:ザ・ドラウンド
先祖の遺産を相続したある男が、先祖の手紙から“ネクロノミコン”の事をしり、死んだ恋人を生き返らせようとするのだが…
2話:ザ・コールド
20年間で周囲の人間が怪死した下宿を訪れた記者は、そこの女主人の母親とある医師との馴れ初めを聞くのだが…
3話:ウィスパーズ
犯人を追っていて不気味な廃ビルに迷い込んだ婦人警官とその相棒は、謎の夫婦の案内でビルの地下に広がる暗黒の迷宮に迷い込む…
それぞれの元ネタは「壁のなかの鼠」「冷気」「闇に囁くもの」。2話のザ・コールドは割と原作に近いものがあるのだが、残りの二つはどこら辺がラヴクラフトやねん!?といった感じである。
「壁のなかの鼠」は視覚と聴覚に訴えてくるような恐ろしい話であるし、「闇に囁くもの」は宇宙的な広がりをもった話だし。
しかし、全くの別物として捉えれば、基本的な水準はクリアしている作品であるし、特に3話目はゲテモノ好きのブライアン・ユズナだけあって正に阿鼻叫喚の地獄絵図となっている。
1本で終わらずに、シリーズとして制作すればなかなか面白かったのではないかと思う。