ウッドストック

Crimson-King2007-07-18

夏と云えばお祭り?花火?海水浴??
いやいや、熱き魂を滾らせたお兄さんお姉さん方はやっぱり夏フェスでしょう!!w
ということで、今年になってようやく夏フェスへと出陣する決意をした私(おせぇよ)が贈る今宵の作品。
ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間」
1970年米/監督:マイケル・ウォドレー、マーティン・スコセッシ(第二版)/出演:ジョー・コッカージャニス・ジョプリンザ・フーサンタナテン・イヤーズ・アフタージミ・ヘンドリックス他/カラー224分
1969年に行われたこのフェスは、ロックを語る上では決して避けて通ることのできない伝説のフェスとしてもはや説明不要。
もちろん、今の洗練されたライヴ・ビデオと比べれば、演奏は荒削りでだらだらと進み、アーティストが演奏中なのにどこ撮ってるんやねん!?と思わず突っ込みたくなる場面も多々あったりする。
が、しかし勘違いしてはいけないのは、こいつはただのライブビデオではなく、混沌としていたアメリカの文化を、そしてロックが最もロックらしかった時代をとらえたドキュメンタリーだということである。
作品の約半分はこのフェスに参加した人々や関係者のインタビューで占められていて、皆思い思いのことを言っている。
この場を心から楽しんでいるもの、カオスだというもの、愛し合うものと多種多様な人々が集い、そして皆自分の思い思いのことを、信じたまま行っている。まさに解放区である。
そして、本作に登場する伝説のロック・スター達も見どころのひとつ。
元祖エアギターことジョー・コッカーは本作においても必死にエアギターをかきむしり、ザ・フーは得意のライブ・パフォーマンスと大車輪ピッキングで会場を沸かせる。
本作の演奏で一躍有名になったサンタナや、元祖速弾き野郎アルヴィン・リー率いるテン・イヤーズ・アフターはここでも般若面で超絶速弾きを披露。会場ひっくるめてハイヤーを歌うスライ&ザ・ファミリーストーン、ブルースに生きた女王ジャニスは文字通り魂のブルースを歌い、大トリを務めたジミ・ヘンドリックスは文字通り伝説となる…。
時代はこの後、さらに泥沼へと突き進み、愛や平和など所詮幻想と云う事がわかる。
しかし、ここに集った人たちは、確かに、愛を、平和を、自由を共有し一つになった。
ロックのバイブルとして、そしてカウンター・カルチャーの象徴として君臨するウッドストック。そうした歴史の一ページを知る上では、まさにもってこいの作品である。
たまには、熱きロック魂ものもいかがでしょう?