忌み嫌われる家

ラヴクラフトと言えばほとんどの人が「誰やねんそれ!?」と思うかもしれないが、ネクロノミコンとかクトゥルー神話とかそのあたりを作った人、と言えば大体の人が解るんではないか。
ホラ、よくあるじゃん。突然「イア!イア!」とか言い出したり、ニャル様(這い寄る混沌)とか言い出したりするの。
もっと簡単にいえばデモンベインの元ネタだよ。
てな訳で、実を言うとラヴクラフトってのは今の映画、音楽、マンガ、ゲーム 小説界に文字通り多大なる影響を与えてるんだけど、こと映像作品に関しては、神話について理解してない人が作るとてんでオハナシにならない物が出来上がってしまうのだ。
「忌み嫌われる家」
何世紀も、不可解な死者が出たというある館に、ひと組のカップルがやってきた。
なぜ、ここはこのような場所になってしまったのか、ということを解明するためだ。
リストの中には、なぜ死んだのかが分からない人物が何人かいた。男はそれに興味をも他のだ。
時はさかのぼって、ある数学者は夢遊病で悩んでいた。
時を同じくして、町では赤ん坊が殺させるという凄惨な事件が発生する。
その時、男は血まみれで部屋に帰ってきた。しかし、その間の記憶がない。
ついにはこれは忌々しき事態と判断し、部屋に小麦粉をまいたりして、自分が毎晩どこに行くのかを確かめることにした…。
また時は変わって、一人の作家は、隣の部屋から響いてくるヴァイオリンの音色が気になっていた。
この世のものとは思えない旋律に、興味をおぼえ、その人の部屋に行ってみる。
演奏は快く承諾してくれたものの、いつもの曲は演奏してくれない。
そればかりか、なぜか窓ばかりを気にしているのだ。
ついに作家は、部屋を追い出されてしまう…。
…と、こんな感じ。
まあ、確かに、タイトルと死人が大量に出た家、という設定は「忌み嫌われる家」なんだが、ぶっちゃけそこだけ
冒頭にもちゃんとクレジットさえてるんだが、数学者と作家の話はそれぞれ、「魔女の家の夢」と「エーリッヒ・ツァンの音楽」が元になってる。
まあ、その三つをうまくブレンドさせようとしたことだけは買うんだが、演出云々が下手すぎて何が何だかさっぱりわからない
しかも、どれもこれも中途半端な再現ぶりで結構泣けてしまう。本来「魔女の家の夢」は、数学と魔術を合わせることによって次元の扉を超越する力を知らずに手に入れた主人公が陥る恐怖の話で、ニャル様やアザトース様などの外なる神々のことまで言及される壮大な話なのだよ。
唯一、ツァンの音楽だけはまだまともに映像化してるのだが。
まあ、そこら辺は言っても仕方がないんだ。だってズッコンだもん
ゴアシーンはまあそれなりにあるので、それだけを目当てに見たら、まだ見られる…かも。
画像のチープさを我慢できるのならね