たたり

エレナ「私はエレナ。
最近変わったことと言えば、病気だったお母さんが数か月前に亡くなったくらい。
ずっと私が面倒みてたんだけど、そのことを認めてくれる人は誰もいない。姉夫婦は「そんなのお前が看て当たり前じゃんボケ!!」ていう始末。
そこへ、一通の手紙が来たの。
『こんや 12じ だれかが しぬ』
…じゃなくて、『丘の家と呼ばれる家にあなたをご招待します。おいしい料理、美しい自然があなたを待っております。ぜひともお越しください。マークウェイ』
ちょうど気晴らしに休暇でも、と思ってたことだし、私行くことにしたの。姉夫婦は反対したけどそんなの関係ないわ。だってこいつら何も役立ってねゴホゴホ…
えっと、で無事に丘の家に着いたんだけど、早々に変なオヤジに『お前なんてしらねぇよバァカバァカ!』って言われたの。管理人とか言ってたけど、持ち主に文句言ってやるわ。
そんなこんなで屋敷内になんとか入って、同じく招待されたセオドーラって人とルーク、それに招待者のマークウェイって人に会えたの。
これから私のバラ色の人生が始まるわ♪と思った矢先、ちょっとした事が起こったの。
ていうか、ちょっとどころじゃないことが起こったの。
っていうか、今まで私知らなかったんだけど、ここって有名な幽霊屋敷らしいのよ。
やったわ♪一度リアルお化け屋敷いいってみたちょっと待てコラァッ!!
なに?新手の詐欺?私だまされた??
ん〜でも、実際居心地そんなに悪くないし、幽霊も信じてないし、もう少し居てみようかな…
ていうか、帰るとこ無いし…気晴らしに唄おうかしら。
♪お化けなんてな〜いさ
♪お化けなんてウ〜ソさ
…って言って〜た人の 家族が根〜絶や〜し根〜絶や〜し…

ということで、夏も過ぎ去るこの時期に名匠ロバート・ワイズの傑作恐怖映画「たたり」をば。
幽霊屋敷モノと言えばそれこそヘルハウスだとか、悪魔の棲む家、シャイニング、近くではホーンテッド・マンションなんかがあるが、おそらくはその頂点に君臨してるのではないかと思われる作品。
無論、時代が時代だけにCなんてものは一切使われてないのだが、幽霊を決して画面に出すことなく音響とカメラワーク、そして役者の演技で表現しきったことが素晴らしい。
ホラー映画というのは、まあ例えは非常に悪いがパンチラと同じようなもので見えるか見えないかの瀬戸際が一番恐ろしいのだ。
そこの所、今の映画人にも解ってほしい次第である(パンチラの方ではない)。
ちなみに、本作は99年にホーンティングとしてリメイクされている。
スピードのヤン・デ・ボンによるものだが、まさに“ホラーのことをまるで解ってない奴が作った映画”になっている。